本日6月21日は夏至。お昼の時間が一番長い日。今日は梅雨の時期らしく、蒸し蒸しと暑かったです。旧暦で言えば、6月でもう夏は終わり。7月からは秋なんですよね。現在は7月から夏本番なんですけどね〜。という訳で、今回はそんな夏に一番相応しいと言ってもいいお菓子をご紹介。
夏に相応しいと言って、何が思いつきますか?水ようかん、水まんじゅう、葛きり、若鮎、あんみつ、氷。そう、夏は旬な野菜も多いように、お菓子も旬?なものが多いんです。そんな中で、今回のお菓子は飴です。そう、飴。夏らしくないと思えますが、名前が夏ぴったりなんです!
「幽霊子育飴」。お菓子に幽霊という名前がついてるってなかなかでしょ?でも、幽霊、子育て、雨というキーワードにピンと来る方、結構いらっしゃるんでは?一般的には『子育て幽霊』という名前で有名な昔話です。
夜な夜な、飴を買い求めに来る青白い女。ある日、不思議に思った飴屋の主人が後をつけてみると、女は墓場へ行き、とある卒塔婆で姿を消す。と当時に赤子の泣き声。掘ってみると、女の亡骸に赤子が抱かれていて、手には飴が握られていた。どうやら、女は身重のまま亡くなり、気付かれぬまま墓に埋められたが、その後、出産。何とか育てようと、母は幽霊となり、乳で育てられぬ為に、毎晩、飴を買い、それを赤子に与えていたというお話。
この昔話は、京都だけでなく、各地にあります。そして更に、子育飴自体も伝わっているのが静岡の掛川です。
小泉屋(
http://koizumiya.com/)
京都の場合、その後、この赤子は高台寺に引き取られ、高僧になったそうです。何とも京都らしい。因みに、この飴屋は高台寺の近くにあるので、全くの嘘話と済ませるにもいかない気がするのは私だけでしょうか。
さて、この飴ですが、素朴な飴です。べっこう飴といった感じです。昔は水飴だったらしいのですが(昔話に出て来る飴も水飴)、今は固形の飴です。麦芽にザラメを加えて固めています。硬さは激硬です。笑。1個1個きれいに形成されているのではなく、釜で作られた飴をそのまま固めて、ノミのようなものでガンガン削り取っているため、大きさもまばら、形もまばらです。更に角が尖った飴もあるので、現在、巷に出回っている飴に慣れている方は要注意です。あ〜、昔の飴だな〜といった懐かしさ満点の味です。
袋を開けたら、なるべく早く食べてしまうことをオススメします。腐りはしませんが、飴同士がくっつき、更に巨大な飴と化し、それこそトンカチを持ってないと、どうしようもなくなります(経験談w)。夏場は特に注意。そんなにすぐに食べられないという場合、料理に使ってもいいかもしれません。煮物とか、やさしい甘さになると思います(未経験談www)。
包装の状態、クリックで大きくなります
「幽霊子育飴」1袋(大)500円
みなとや幽霊子育飴本舗(HPなし)
器は合羽橋の田窯
田窯(
http://www.grapestone.co.jp/brand/dengama.html)
ランチョンマットの手ぬぐいは戸田屋商店(
http://www.rienzome.co.jp/)の「お化け」